アイドルは恋愛禁止が基本とされていますよね。今回はなぜそのようなことになっているのか解説致します。
※2024年1月12日更新
ファンとの関係性とアイドルの語源
まず、アイドルは、ファンとの強い絆を築くことが求められます。ファンからのより強い想いがアイドルをアイドルたらしめますからね。
そして、アイドルという言葉のそもそもの意味をご存知でしょうか。
こちら、「偶像」という意味です。
偶像とは、神仏にかたどって作った像。信仰の対象とする像。比喩的に、崇拝の対象とされるもの。
要するに「人々によって作り上げられた像」ということです。
現代では多種多様なアイドルが出てきていますが、一般的には、清楚ーだとか、恋人がいないーだとか、トイレに行かないーだとか、そういういろんな”イメージ”が前提にあるもの。それがアイドルですよね。
なので、そのアイドルとしての”イメージ”を崩さぬよう、ファンを獲得していかねばならないのです。
恋愛もその一つです。恋愛によってイメージが崩れてしまう恐れがあるため、恋愛禁止になってしまうのです。
マーケティングとビジネス上の要因
アイドルとはビジネスです。そして自分自身を商品とします。
恋愛によって変なイメージがついてしまえば、その商品が売れなくなってしまう恐れがあります。自らの稼ぎに直結するのです。事務所側も全力で阻止するのは当然のことですね。
そしてアイドルのファンの中で、最もお金を使ってくれる層が大きく分けて2つあり、一つは「推しの幸せが私の幸せ」、もう一つが「ガチ恋」です。
前者は、恋人を作ったとしても推しがそれで幸せでいられるなら自分も幸せだと感じる人たちです。この人たちは恋愛バレしたとしてもファンを辞めるという人も少ないです。ですが上述した通りイメージが大事。ファンそれぞれが持つイメージからかけ離れればかけ離れるほど、徐々にファンを辞めていく人は増えるでしょう。
後者が文字通りアイドルに恋心を持って接する人たちです。この人たちは恋愛バレなんてあれば一気にファンを辞めていきます。この人たちが使ってくれるお金は相当なものですので、このファンたちがごっそりいなくなればそのアイドルは存続できなくなると言っても過言ではありません。
ビジネスとして成立させ、より多くの利益を得るためにはこういった層のファンの獲得は必須です。
なので、恋愛を禁止としてしまった方が何かと都合が良いのです。
ほんとにそんなに変わるの?と思う方もいるかもしれません。ですが、アイドルでなく俳優業の人たちも若手の頃は変なイメージをつけないために恋愛系のスキャンダルは起こさないようにしています。
さらに言うと、つい最近も野球選手で結婚を隠していた選手(チーム)もいたほどです。これは結婚による人気の低下を防ぐ、つまりグッズの売り上げを落とさないようにするためです。
ビジネスとして俳優やスポーツ選手ですらこのように恋愛ごとは隠すのですから、アイドルが恋愛禁止で活動するのは至極当然なことと言えますね。
故・ジャニー喜多川氏の名言
ジャニーさんの名言と言われているものの中に、「いちいち恋愛禁止だと言わないと解らない子はトップアイドルにはなれない。そんな当たり前のこと言われなくても守れる子しかトップにはいけない。」というものがあります。
これは本当にその通りで、部活でも受験でも、何か目標があって本気の本気で取り組んでいる時って恋愛している暇なんてないですよね。
部活なら全国優勝だったり、受験なら東大合格だったり、そのあたりがそれぞれの”トップ”なのでしょうが、それより低い目標だとしても本気の本気の時は恋愛している暇はありません。自分の目標以外に労力を費やす余裕はありませんからね。
同様に、トップアイドルを目指すとなるとそれ相応の努力が必要ですので、やはりそう言った意味でも恋愛している暇はないのです。
ただ、トップを目指しているわけではないだとか、生活できればいいとか、それくらいのアイドルでいいのであれば確かに人生をなげうってまで尽力する必要はないでしょう。
ですがファンはアイドルの成長や駆け上がっていく姿に心奪われるもの。半端な気持ちのアイドルにはそれなりのファンしかつきませんので、そこは考え物。
アイドルというものの面白いところでもありますね。
乃木坂も恋愛禁止と明言されてはいない
旧ジャニーズ同様、乃木坂46も実は恋愛禁止と明言されているわけではありません。そのあたりは暗黙の了解という形で活動しているんです。
ですがスキャンダルがあると、すぐに卒業になったり仕事が激減したり、事務所側からの大きな制裁が過去にはけっこうありました。
グループで活動している以上、個人のスキャンダルであってもグループ(他のメンバー)に迷惑をかけてしまいます。最近の乃木坂は明らかな恋愛バレというスキャンダルはなくなり、それは他メンバーへの迷惑を考えて自制している子が多いのではないかといった印象です。
そもそも坂道グループで恋愛バレするメンバーってほとんどが不人気メンバーなんです。本気で活動していないからこそのスキャンダルということでもあるわけです。
逆に恋愛禁止ではないと明言している指原グループ
元AKBの指原莉乃さんがプロデュースするアイドルグループでは、恋愛禁止ではないと明言、要するに恋愛OKとしています。
そこまで制限をかけた活動をさせたくないからなのだそうですが、実際この前スキャンダルが出た際は後に謝罪文を出していました。
「恋愛OKなのに謝罪?」と不思議に思いましたが、内容が居酒屋で大人数でテキーラを「うぇーい」という掛け声とともに飲んでいたと言ったものだったので驚くとともに納得しました。そしてそこからのお泊りだったみたいですね。
文春オンラインの記事があったのでよろしければ読んでみてください。⇒「テキーラうぇーい!」指原莉乃プロデュース「≠ME」菅波美玲(23)が東大生イケメン彼氏と個室ダーツバーで酒池肉林“パリピ飲み会”《お泊まり&腕組み撮》
謝罪文の内容は「彼氏つくってごめんなさい」というよりはアイドルとしてのイメージの崩壊とか”夜遊び”の意味での謝罪な感じの文章でした。
指原莉乃さん自身が、巨大スキャンダルで失墜してそこからまた這い上がってトップに上り詰めた(この間スキャンダル一切なし)アイドルでしたので、やはりアイドルとして上を目指すためには恋愛禁止、ノースキャンダル、は必須条件なのだと思われます。
現に指原グループの一般知名度はほぼゼロですし。
結婚してもファン離れしないタイプのアイドル
アイドルで結婚となると、旧ジャニーズの面々がまず思いつきます。あとは最近だとももクロの高城れにさんがそうでしょう。
後者からいきましょう。
こちらはなぜ未だにアイドルとして活動できているか、それはグループとして活動していることと、個人の人気があまりなかったことです。もとい、今やそもそもアイドルとして見ている人があまりいないからです。ガチ恋勢が少ない=ダメージが少ないということです。
これが百田夏菜子さんだったり、こてこてのストロングスタイルでアイドルをやっている佐々木彩夏さんだったりしたらももクロ自体が終わっていた可能性もあります。
※追記
百田夏菜子さん結婚しましたね。まだ20代ということもあり、ガチ恋勢から搾取するのがメインとなりやすいですがどうなっていくでしょう。ファンを裏切り結婚し、すぐに離婚したことで更に好感度を落とした高城れに。隠れて長いこと付き合っていたのであろう百田夏菜子。売れ続けるには今まで以上に上の年齢の男性層と主婦層に絞った売り方をするしかないかと思われます。
そして前者。
こちらはあまりファンが減った感はありません。なぜでしょうか。
ズバリ、ファンの年齢層が高まっているためです。
SMAPでも嵐でも、他のグループでも良いのですが、彼らは長いこと活動しているため、ファンの年齢層も上がっています。つまりファン自体が既に結婚している人が多くなっているのです。
そうすれば好きは好きでもそもそもガチ恋ではなくなるので、アイドルが結婚したとして、「まあ年齢的にもそうだよね」くらいの感想になるわけです。
また、年齢関係なくファンの中には「推しの遺伝子が存続される」ということに喜びを覚える層もいるので、逆に結婚に好意的な人たちもいますね。
旧ジャニーズを代表とする結婚してもファンが減らない(仕事が減らない)人たちはそちらのフェーズに行ったアイドルだというわけです。
マネージメントとスケジュールの調整
アイドルは、売れれば当然ですが売れない状態でも多忙になりやすいものです。目に見えるライブやメディアの仕事以外にも、レッスン等のパフォーマンス力の向上に割く時間も必要です。
握手会のようなイベントを地方でやるとなればその移動時間、準備時間もかかります。
そんなところに恋愛にまで時間を割かれるようになると、事務所側はスケジュールの調整だけでなく、メンタルの管理も難しくなってきます。極力リスクを下げるという意味で恋愛を禁止にしてしまおうということも要因の一つとしてあります。
恋愛をしたいならばアイドルじゃない肩書にすればいい
そもそも恋愛をしたいならばアイドルじゃなくなれば良いんです。
ダンサー、歌手、もう少し大きくまとめてパフォーマー、何でも良いのですが、そういう肩書でやればいいじゃないですか。なぜそうせずにアイドルなのか。
それは「突き抜けたスキルを持っていない」⇒「偶像としての自分の人間性(キャラクター)を好いてもらう=買ってもらう」という構図でやるしかない人が多いからです。
バトル漫画でよくある「自らに”制限/誓約”を設けることで自分の能力を向上させる」みたいなのと全くもって一緒です。アイドルを選ぶならばそれ相応の覚悟が必要だということになります。
そうじゃなければ、ガチ恋勢がいなくとも成り立たせられるタイプのアイドルになるというのは手ですが、それは非常に難しいです。
地方には全員既婚者の主婦アイドルとかそういうそもそもバラエティ特化みたいなアイドルグループもあるのですが、やはりそういうので人気を得るのは難しいですからね。だったら最初からお笑い芸人としてやった方が良いわけですし。
性格が良いアイドルほど恋人をつくらない率高め
性格とわかりやすく書きましたが「精神性」について少々。
自身の精神性の高さ故に恋愛を自制するようなアイドルもいるんです。
アイドル業は自分自身を好きになってもらうことでお金を得ている仕組みです。
自分を愛してくれるファンのおかげで自分はアイドル活動を維持できている。そんな自分を愛してくれる人たちの気持ちを無視してファンに嘘をつきながら誰かと付き合うということはできない。大切なファンの気持ちを踏みにじりたくない。
そういう精神です。
※精神性の高さは4つに大別すると「ファン、メンバー(事務所)への感謝と愛=他者への奉仕」>「メンバー(事務所)に迷惑かけたくない」>「仕事続けるために恋人つくったらやばい(自己保身)」>「バレなきゃ何やってても関係ない」>「もっとあいつら(???)から搾取したい」とかそんな感じでしょうかね。
上述したジャニーさんの「いちいち恋愛禁止だと言わないと解らない子はトップアイドルにはなれない。そんな当たり前のこと言われなくても守れる子しかトップにはいけない。」という文言にはこういった意味も含まれているんだと思います。
おわりに
以上が、アイドルが恋愛禁止にになる理由です。一番の理由はビジネスとしてより利益を獲得するためですね。(理想としては最後に書いた精神性の高さ故の自制が理想ですけどね。)
熱愛報道が出ると「アイドルだって人間なんだから恋愛したっていいんだよ!」とか言う人けっこういるじゃないですか。あれほんとすごいですよね。。。
本人たちは応援したい気持ちで言っているのでしょうけど、実際やっていることはアイドル活動を終わらせることに拍車をかける発言なんですからね。
良かれと思ってやっていることでも相手の足を引っ張っているということは私たちが生きている中でよくあることなので、気を付けたいところですね。
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