ニュースに出てくるような「悪人」、そういう人はなぜいなくならないのか、そんなことは考えたことはありますでしょうか。
今回は善人や悪人と呼ばれる人間がなぜ出てくるのかのお話しです。
※本質まで読み飛ばしたい方は「5.あなたがいるから悪人が生まれる」まで飛んでください。
悪人とは
悪人とは、一般的に「倫理的・道徳的な基準に反する行動を行う人物」を指します。要するに文字通りではありますが「悪いことをする人」ってことですね。
ただ、この「悪い」が何を指すかは文化や社会によっても異なってしまうというのは一つ注意すべきところです。
悪人が形成される社会的要因
悪人が生まれる理由としてまず最初に思いつくのがいわゆる”社会のせい”ってやつですね。貧困、社会的不平等、教育の欠如等が大きな要因です。
貧困
お金がないと精神的にいっぱいいっぱいになるというのは誰しも体験的にわかると思います。余裕がある時に正しい判断ができる人であっても、余裕がなくなれば必要なものを手に入れるべく”道”に反した行動をとってしまうことはあるでしょう。
世界的に見て日本の治安が良いと言われるのは命の危機のレベルなまでの貧困はほとんどないからです。海外には餓死してしまうような国がたくさんありますからね。
社会的不平等
貧困とも少しかぶりますが、生まれ持っての家庭の経済力だけでも人生は大きく変わります。知能も運動能力もですし、その人間の個性、環境、など様々な不平等があげられます。
ほんの少しそれらが違っていただけでもその人間は善人と呼ばれる人になっていたかもしれませんし、そのせいで悪人と呼ばれる人になってしまったのかもしれません。
教育の欠如
そもそも教育が上手く受けられていない場合、その社会の一般的な善悪の違いも学べない可能性があります。すなわち、悪事を働いた結果自分や周りに及ぼす影響も知ることのできる範囲が狭まるのです。何をしたらどうなるか、それが分からなければそれは当然悪人にもなりやすいでしょう。日本は一度道を踏み外せば戻ってくるのが難しい社会でもありますしね。
これもお金さえあれば高度な教育を受けられるので、それだけで将来が割と安泰にもなりやすいです。
悪人の心理
悪人の行動を理解するためには、心理学的側面を考慮する必要もあります。
精神疾患、人格障害、生まれ育った環境など、どのようにその人間が育ってきたのかを考えなくてはなりません。
精神疾患・人格障害
疾患や障害などで、そもそも知覚しているものが全く違う場合もあります。幻覚や幻聴などがわかりやすいですね。
疾患や障害とはまた変わってきますが、サイコパスもわかりやすい例でしょう。生まれつき持っている善悪感情が一般的な人間とは違うのです。彼らからすると生きづらい世の中なのかもしれません。
環境
産みの親、学校のクラスメイト、近隣住民、そういった要素も大きく関わってきます。
親ガチャなんて言葉も少し前に流行りましたね。世の常識としては「子は親を選べない」と言った考え方が一般的です。(スピリチュアル的には自分で親を選んで生まれてくるんだという考えが割と一般的で正反対なのはおもしろいところ。)
人の人生は「遺伝子50%、環境50%」と言われています。半分は生まれ持った性質、もう半分が生まれ育った環境で決まるということです。極端な言い方ではありますが、善人にしかなり得ないような性格の人間であっても50%の環境のせいで悪人側になってしまうかもしれないのです。
つまり、悪人になった理由はその人だけのせいではないということです。
※遺伝と環境についても書いているのでこちらもどうぞ
⇒【遺伝と環境】嫌いな人をなくす方法~悪者は誰の責任か~
悪人から学ぶこと
悪人というのが存在することによって、新たなルールが制定されていきます。そもそもルールがいらないくらい全ての人間が愛の溢れる状態であればいいのですがそうともいきませんからね。
どういった人間がどういった経緯で不協和を生み出していくのか。人を傷つけていくのか、それを学ぶ一つのきっかけとなることはあるのでしょう。
また、悪人の行動を認識する事で、改めて私たちにとって何が良いことであり、何が幸福に繋がっていくのかを再確認することができます。反面教師なんて言葉もありますしね。
あなたがいるから悪人が生まれる
ちょっとショッキングな言い回しになりましたが、実は本質的にはこれです。「あなたがいるから悪人が生まれる」のです。
環境が悪人を生む大きな要素だということは上述してきました。それを少しかみ砕いて説明します。
頭の中でスーパーボールを100個用意してください。1から100までそれぞれ順に数字を書き入れていくとわかりやすいかもしれません。
そしてそのスーパーボールを一斉に高い位置から真下に落とします。
真下に近いスーパーボールほど高得点、そこから離れれば離れるほど低得点とします。(社会の基準にどれだけ近い人間かということです。)
そしてそれをそのまま人間の善悪とするとどうでしょうか。
低得点のスーパーボールは悪いものですか?高得点のスーパーボールは良いものですか?そんなことないですよね。良いものだとか悪いものだとかは人間が自分たちの都合の良いように勝手に決めているだけに過ぎないのです。
そして、高得点のものたちは低得点のものが存在しているからこそ高得点のポジションでいられているのです。
さらに言いますと、例えば1番のスーパーボールと2番のスーパーボールがぶつかって弾け飛んだ結果、それぞれがそれぞれの位置に移動しているわけでして、それらにぶつかった他のスーパーボールもそれらの影響を受けて移動しています。
つまり何が言いたいかと言いますと、全てのスーパーボールが全てのスーパーボールに影響を与えて存在しているのです。
人間に当てはめても全く一緒です。あなたが存在しているから、周りの人間のポジションが”そこ”に至っているのです。
それでも悪人を減らす方法
上述してきた内容を読んで頂ければ、”相対的”な悪人の生まれ方はわかってもらえたかと思います。この悪人が生まれるのは当然であり仕方のないことです。ですが、絶対的な悪人というものを減らすことはできます。
それは「平均値」を上げることです。
それこそ主に倫理観の教育の徹底であったり、社会的な側面で苦しむ人間を減らす取り組みを行うことが最重要です。
あと結局は人間の「愛」の部分を成長させることですね。どれだけ周りに愛を持って接することができるか。人間の内面の美しさの平均値を上げることができれば、悪人は減りますし、少なくとも全体の幸福度が上がることは間違いありません。
※まわりに影響されずに自分自身の手で自分を幸せにしてあげることができればそれにこしたことはありません。よろしければこちらも併せてお読みください。
⇒勝手に幸せになっちゃうマインドセット~自分で自分を幸せにする方法~
おわりに
悪人の存在を減少させるためには、個人や社会の取り組みが不可欠ですが、その努力は社会全体の発展にもつながります。
個人の幸福度の向上を通し、社会全体がより良くなるといいですね。
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